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辺野古に基地が完成しても普天間飛行場は返還されないは事実なのか

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現在、世界一危険ともいわれている普天間飛行場の代替施設として、辺野古の基地建設が進められています。

しかし、「辺野古の基地が作られても普天間飛行場は返還されない」ということが、たびたび話題になると思います。

そこで今回は、それがどこまで事実なのかを知るために普天間飛行場の8つの返還条件などを確認してみました。

目次
  1. 「辺野古に基地が完成しても普天間飛行場は返還されない」は少し語弊がある
  2. 2017年6月の稲田元防衛大臣の国会での答弁がきっかけ
    1. “返還条件が整わなければ”返還がされないことになる
    2. 普天間飛行場が返還されないという状況は全く想定していない
  3. 普天間飛行場の8つの返還条件
  4. 8つの返還条件「③」はすでに決定済み
    1. 基地のある町の2人の町長も理解を示している
    2. 日米間で合意され施設整備を進めていく予定
  5. 8つの返還条件「⑧」はすでに完了
  6. その他の6項目については米側との協議を行っている最中
  7. 8つの返還条件でよく追及されているのは「④」
    1. 滑走路は2800メートル(普天間)から1800メートル(辺野古)に短縮されて大型の固定翼機は着陸できなくなる
    2. そもそも辺野古の滑走路は「大型の固定翼機」の運用を前提としていない
    3. 現在、普天間飛行場に「大型の固定翼機」は配備されていなく、普天間飛行場に配備されている航空機は全て辺野古で使用する予定
    4. 「辺野古の滑走路は短くて使い物にならない」は少し語弊がある
    5. 緊急時の際には「大型の固定翼機」が離発着できる滑走路が必要
    6. どの民間空港かは明らかになっていないが那覇空港が有力?
    7. 当時の沖縄県知事(翁長雄志)は那覇空港の使用を完全に拒む
    8. 岩屋防衛大臣は「特定公共施設利用法」をあげて調整は可能と考えている
    9. 玉城デニー知事の「AbemaPrime」での発言
  8. 最後に

「辺野古に基地が完成しても普天間飛行場は返還されない」は少し語弊がある

色々調べた上で、最初に書いておこうと思うのですが「辺野古に基地が完成しても普天間飛行場は返還されない」というのは少し語弊があります。

すでにご存じの方もいると思いますが、

「辺野古に基地が完成しても普天間飛行場は返還されない」

というよりも・・・

条件が満たされないまま辺野古に基地が完成しても普天間飛行場は返還されない」

の方が正確だと思います。

「辺野古に基地が完成しても普天間飛行場は返還されない」わけではなく、米側の条件を満たせばちゃんと普天間飛行場は返還されることになります。

辺野古の基地建設の事業所名は、沖縄県のホームページにも「普天間飛行場代替施設建設事業」ということが記載されてあります。

また、政府側は「辺野古の基地が作られても普天間飛行場が返還されないという事態は想定していない」という発言をしています。

2017年6月の稲田元防衛大臣の国会での答弁がきっかけ

“返還条件が整わなければ”返還がされないことになる

「辺野古の基地が完成しても普天間飛行場は返還されない」ということが話題になったのは、2017年6月6日(または15日)の国会での藤田幸久議員(当時民進党)の質問に対し、稲田朋美元防衛大臣による答弁がきっかけでした。

当時のこの発言が新聞やネット等で広がり、現在でもTwitterで拡散されているのをよく見ます。

○藤田幸久君 (前略)続きまして、資料の七ページを御覧いただきたいと思います。
これは、沖縄等米軍基地問題懇談会におきまして防衛省から出てきたペーパーでございます。一番下の五行ほどでございますけれども、「「普天間飛行場代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善」が普天間飛行場の返還条件とされておりますが、現時点で、この点について具体的に決まったものがあるわけではありません。」というふうに文書が出ています。この場で別の議員が、同時進行であっても返還条件が整わなければ普天間飛行場は返還されないのかという質問に対して、防衛省は、そういう理解ですと答えました。これで間違いないですね

国務大臣(稲田朋美君) 緊急時における民間施設の使用の改善について、現時点で具体的な内容に決まったものがないため、米側との間で協議、調整をしていくこととしております。
そして、御指摘のその懇談会における防衛省職員の説明、このような具体的な内容について、米側との協議によることを前提として、普天間飛行場の返還のためには、緊急時における民間施設の使用の改善を含む返還条件が満たされる必要があるということを述べたものでございます。
仮に、この点について今後米側との具体的な協議やその内容に基づく調整が整わない、このようなことがあれば、返還条件が整わず、普天間飛行場の返還がなされないことになりますけれども、防衛省としては、そのようなことがないよう、返還条件が満たされ、普天間飛行場の返還の実現の支障とならないように対応をしていく考えでございます。

2017年6月6日 第193回国会 外交防衛委員会 第24号

国会の答弁で稲田元防衛大臣はたしかに「仮に、この点について返還条件が整わなかったら返還がされないことになる」という答弁をしています。

普天間飛行場が返還されないという状況は全く想定していない

しかし、国会の答弁の一か月後、2017年7月7日の記者会見で、稲田元防衛大臣は「辺野古移転後も普天間飛行場が返還されないということは想定していない」という発言をしています。

◯稲田防衛大臣(当時)
政府としては、「緊急時における民間施設の使用の改善」を含め、米側と返還条件についての協議を進め、辺野古移設の工事が完成し、米軍の運用が開始される時点で、普天間飛行場の返還が実現するよう取組むことは当然であります。いずれにせよ、防衛省として、辺野古移転後も普天間飛行場が返還されないという状況は全く想定いたしておりません。私の国会での答弁でも、普天間飛行場の返還が実現するようにしっかりと対応していくという趣旨を述べたものでございます。

防衛省・自衛隊:防衛大臣記者会見 平成29年7月7日(11時44分~12時11分)

また、2019年3月には、原田憲治防衛副大臣が国会で「日米間で件を達成困難にする特段の問題は生じていないという認識で一致している」と述べ、稲田元防衛大臣と同じように「辺野古移転後も普天間飛行場が返還されないということは想定していない」という答弁をしています。

○副大臣(原田憲治君) (前略)日米間でも、この条件を達成困難にするような特段の問題は生じていないとの認識で一致しておりまして、今後とも、米国との間で必要な協議や調整を行っていくことは当然でございますけれども、条件が満たされないため辺野古への移設後も普天間飛行場が返還されないなどという状況は、私どもとしては全く想定をいたしておりません

2019年3月19日 第198回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号

普天間飛行場の8つの返還条件

上記の国会の発言などで「返還条件」というワードが出てきましたが、2013年4月に日米両政府で合意された「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」には、普天間飛行場が返還される際に必要とされる8つの返還条件が下記のように記載されています。

普天間飛行場の8つの返還条件

①海兵隊飛行場関連施設等のキャンプ・シュワブへの移設

②海兵隊の航空部隊・司令部機能及び関連施設のキャンプ・シュワブへの移設

③普天間飛行場の能力の代替に関連する、航空自衛隊新田原基地及び築城基地の緊急時の使用のための施設整備は、必要に応じ、実施

④普天間飛行場代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善

⑤地元住民の生活の質を損じかねない交通渋滞及び関連する諸問題の発生の回避

⑥隣接する水域の必要な調整の実施

⑦施設の完全な運用上の能力の取得

⑧KC-130飛行隊による岩国飛行場の本拠地化

防衛省・自衛隊:沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画(仮訳)平成25年4月

8つの返還条件「③」はすでに決定済み

現時点で、8つの返還条件の中の

③必要に応じた飛行場能力の代替に関連する航空自衛隊新田原基地・築城基地の緊急時の使用のための施設整備

はすでに決定されています。

◯福岡県の新田原基地と宮崎県の築城基地の場所

基地のある町の2人の町長も理解を示している

2018年10月、築城基地が所在する築上町の新川久三町長、新田原基地が所在する新富町の小嶋崇嗣町長はお2人とも積極的に賛成というわけではありませんが理解を示しています

◯築城基地・新川久三町長

築城基地がある築上町の新川久三町長は、受け入れざるを得ないとの考えを示し施設が整備されれば総務省からの基地交付金が増えるため「整備は町財政に役立つ」とメリットを強調した。ただ、築城基地では滑走路が約300メートル延長され、宿舎なども整備されるため、米軍の常駐化を懸念する声は根強い。新川町長は「あくまで緊急時の利用」と否定した。

西日本新聞:新田原・築城の「米軍基地化」懸念 沖縄負担軽減には理解も 米軍用弾薬庫計画


◯新田原基地・小嶋崇嗣町長

新富町の小嶋町長は理解を示しつつも防衛省に対し、新田原基地を米軍基地化しない事・住民への安心安全対策や騒音対策の充実・住民への丁寧な対応と説明などを求めていく考えです。

UMKテレビ宮崎:新田原基地 米軍施設整備受け入れ「普天間飛行場 辺野古移設との関係」


一方、新田原基地を抱える新富町の小嶋崇嗣町長は「米軍基地化しないことを強く求めた。丁寧な対応と周辺住民への十分な説明を行ってほしい」。元航空自衛官でもある同町の桜井盛生議長(76)は「有事の備えや沖縄の負担軽減のため、機能の一部受け入れは理解できる」とした上で「唐突感がある。もっと早く地元に説明できたのではないか」といら立ちを見せた。

西日本新聞:新田原・築城の「米軍基地化」懸念 沖縄負担軽減には理解も 米軍用弾薬庫計画

日米間で合意され施設整備を進めていく予定

緊急時の受け入れをするためには滑走路の延長、弾薬庫の設置などの機能移転が必要となる施設整備を行う必要がありますが、2018年10月24日には日米間で合意され、今後整備を進めていく予定となっています。

◯施設整備の概要

8つの返還条件「⑧」はすでに完了

また、現時点で8つの返還条件のうち、

⑧KC-130飛行隊による岩国飛行場の本拠地化

はすでに完了しています。

空中給油機(KC-130)は2014年8月26日に15機全機普天間飛行場から山口県の岩国飛行場への移駐が完了し、軍人、軍属及び家族約870名も転出することになりました。
1996年のSACO最終報告から18年越しの課題達成でした。

その他の6項目については米側との協議を行っている最中

琉球新報の取材によれば、防衛省から「その他の項目については米側との協議を行っている」という回答をもらっています。

また、”それぞれの項目が現時点でどの段階まで進んでいるのか”ということも調べてみましが、今のところそういった情報は見つけることができなく、今後発表されていくのだと思います。

しかし、あくまで個人的な憶測ですが、残りの④以外の項目は現在進行中の辺野古での作業に関わることなので、基地が完成するとほぼ同時に完了することになるのではないかと思っています。

普天間飛行場の8つの返還条件

①海兵隊飛行場関連施設等のキャンプ・シュワブへの移設

②海兵隊の航空部隊・司令部機能及び関連施設のキャンプ・シュワブへの移設


③普天間飛行場の能力の代替に関連する、航空自衛隊新田原基地及び築城基地の緊急時の使用のための施設整備は、必要に応じ、実施

決定済


④普天間飛行場代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善


⑤地元住民の生活の質を損じかねない交通渋滞及び関連する諸問題の発生の回避


⑥隣接する水域の必要な調整の実施


⑦施設の完全な運用上の能力の取得


⑧KC-130飛行隊による岩国飛行場の本拠地化

完了済


防衛省・自衛隊:沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画(仮訳)平成25年4月

8つの返還条件でよく追及されているのは「④」

稲田元防衛大臣などの国会の答弁でも触れられていましたが、8つの返還条件のうち、よく追及されているのは

④普天間飛行場代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善について

です。

滑走路は2800メートル(普天間)から1800メートル(辺野古)に短縮されて大型の固定翼機は着陸できなくなる

普天間飛行場の滑走路の長さは約2800メートルであり、この滑走路は「ヘリコプターやオスプレイなどの運用」や「国連の緊急事態の運用」などの目的で使用されています。

◯普天間飛行場

宜野湾市HP:「まちのど真ん中にある普天間飛行場」(2019年3月)

普天間飛行場の滑走路の運用目的
・ヘリコプターやオスプレイなどの運用
・災害対応や有事のような国連の緊急事態のために、必要であれば使用
防衛省・自衛隊:平成30年版防衛白書|4 沖縄における在日米軍の駐留

そして、辺野古に建設される滑走路の長さは1800メートルとなり、普天間飛行場の滑走路と比べて大幅に短縮されます。

◯辺野古に建設中の代替施設

防衛省・自衛隊:沖縄における再編 (普天間飛行場代替施設)

この滑走路の短縮は、基地負担の軽減の一つとしてもあげられています。

※平成30年版防衛白書

防衛省・自衛隊:平成30年版防衛白書|4 沖縄における在日米軍の駐留

しかし、この滑走路の短縮により辺野古の代替施設では「大型の固定翼機」の着陸ができなくなり、大型の固定翼機が着陸するにはもっと長い滑走路が必要になります。

ちなみに「回転翼機」は垂直離着陸ができるというのもあり、長い滑走路は必要なく、辺野古の代替施設に着陸することは可能です。

この話になると「固定翼機」や「回転翼機」という航空用語が出てきてややこしくなるのですが、「固定翼機」はざっくりいうと「飛行機」のことで、「回転翼機」は「ヘリコプター」という認識でいいと思います。(詳しくは→JIS W 0106-1995 航空用語(航空機一般))

航空用語
固定翼機・・・飛行機
回転翼機・・・ヘリコプター
航空機・・・人が乗って空を飛行する機器(固定翼機も回転翼機も含まれる)
※オスプレイは固定翼機と回転翼機の機能を兼ね備えた航空機

そもそも辺野古の滑走路は「大型の固定翼機」の運用を前提としていない

滑走路が短縮することで「辺野古に大型の固定翼機が着陸できなくなるが大丈夫なのか?」という疑問が出てくると思うのですが、2007年12月12日に開催された「第5回 普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会」で、石破茂防衛大臣(当時)が、辺野古に建設される滑走路が1800メートルとなった理由について発言しています。

(石破防衛大臣)
滑走路の長さは、普天間飛行場に配備されております連絡機、C-12及びC-35でありますとか、他の飛行場等から飛来する可能性のある連絡機と同等のもの。例えば、C-20の離発着というニーズを考慮いたしました結果、滑走路長を1600mとし、オーバーランを含み護岸を除いた合計の長さを1800mということであります。国交省の基準によれば、一般に、普天間飛行場代替施設で使用され得るC-12等の連絡機と同等と考えられるYS-11等のプロペラ機が離発着する飛行場は、原則として1500mの滑走路長を確保するということになってございます。

首相官邸:2007年12月12日 第5回 普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会

一応要約すると・・・

・普天間に配備されている航空機
・普天間に飛来する可能性のある航空機

などの航空機が離発着できるようなニーズに合わせて、滑走路は1800メートルということになった。

ということになります。

また、2017年6月2日の国会の答弁で政府側から「大型の固定翼機の運用を前提とするものではないことから、現在の普天間飛行場の滑走路長に比べて大幅に短縮されている」という発言があります。

○岡(真)政府参考人
その上で申し上げますけれども、普天間飛行場代替施設の滑走路長につきましては、日米両政府で合意をされているものでございまして、これにつきましては、現在の普天間飛行場に配備されている連絡機等を安全に運用する観点から、米軍の安全性基準等を考慮して、滑走路長千二百メートル、オーバーラン各三百メートルとしたところでございます。
普天間飛行場代替施設におきましては、大型の固定翼機の運用を前提とするものではないことから、現在の普天間飛行場の滑走路長に比べて大幅に短縮されているものとなっているところでございます。

2017年6月2日 第193回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号

このことから、辺野古の滑走路ではそもそも「大型の固定翼機」の運用を考えていなかったことがわかります。

現在、普天間飛行場に「大型の固定翼機」は配備されていなく、普天間飛行場に配備されている航空機は全て辺野古で使用する予定

そして、長い滑走路を必要とする「大型の固定翼機」は、普天間飛行場に配備されていません

現在(2019年3月時点)普天間飛行場に配備されている航空機は58機で、その内訳は下記のようになっています。

◯MV-22オスプレイ 24機・・・固定翼機と回転翼機の機能を兼ね備えている(垂直離着陸可能


◯CH43E 12機・・・回転翼機


◯UH-1Y 6機・・・回転翼機


◯AH-1Z 12機・・・回転翼機


◯UC-12W 1機・・・固定翼機(短距離の滑走路で離発着可能


◯UC-35D 3機・・・固定翼機(短距離の滑走路で離発着可能


宜野湾市HP:普天間飛行場について
Bell Helicopter:BELL AH-1Z

これらを固定翼機、回転翼機として分類すると下記のように分類されます。

このように、現在普天間飛行場に配備されている航空機のほとんどが「長い滑走路を必要としない回転翼機またはオスプレイ」であり、固定翼機は短い滑走路で離発着可能なものしか配備されていません。

つまり、普天間飛行場には、辺野古で着陸不可能な「大型の固定翼機」は現在配備されていなく、配備されている航空機は全て辺野古に離発着可能です。


また、航空機は全て辺野古に配備される予定です。

「辺野古の滑走路は短くて使い物にならない」は少し語弊がある

辺野古の移設を反対する方々のなかで、「辺野古の滑走路は短くて使い物にならない」というのをTwitterなどでよく見かけます。

しかし、普天間飛行場に配備されている航空機は全て辺野古で運用可能であり、辺野古への移設は、普天間飛行場の長い滑走路を短縮した「ヘリコプターやオスプレイなどの運用機能」の最低限の基地機能のみです。

僕もこの記事を書くまで知らなかったのですが、このことを理解している人はあまり多くないように感じます。

※ちなみに滑走路の長さ以外の基地機能について詳しく書いた記事はこちら

緊急時の際には「大型の固定翼機」が離発着できる滑走路が必要

普天間飛行場は朝鮮国連軍指定基地でもあり、緊急時の際には普天間飛行場の滑走路が使用される可能性があります。(朝鮮国連軍とは1950年の朝鮮戦争の際に組織された多国籍軍で現在も存続中)

しかし、普天間から辺野古へと移設した場合、辺野古の滑走路では「大型の固定翼機」が着陸することはできないので、代わりに緊急事に使用できるような普天間飛行場の2800メートル級の滑走路が必要ということになります。これは、2017年4月に公表された米政府監査院(GAO)が連邦議会に提出した報告書にも記載されていました。

米政府監査院(GAO):GAO-17-415, MARINE CORPS ASIA-PACIFIC

どの民間空港かは明らかになっていないが那覇空港が有力?

8つの返還条件に

④普天間飛行場代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善について

と記載されてあるように、普天間飛行場の2800メートル級の滑走路のある民間空港が代わりに必要になります。

国会で「緊急時に使用する際の滑走路のある施設はどこであるのか」という旨の質問がありましたが、岩屋毅防衛大臣は「現在はまだ決まっていなく、事態に応じて調整をして確保をするということになっているので、特段の問題は生じない」という旨の答弁をしています。

○森ゆうこ君 今の話、もう少し詳しくお願いします。
要するに、辺野古は滑走路が短いんですよ。だから、長い滑走路、普天間と同じぐらい機能を発揮するために、緊急時に長い滑走路を使わせてもらわなきゃいけないんです。それは具体的にどこですか。もうちょっと、今国民の皆さん聞いていらっしゃるんだから、もっと分かりやすく、何をしなきゃいけないのか、答えてください。

○国務大臣(岩屋毅君) 今申し上げた普天間飛行場代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善という項目につきましては、実際に緊急事態が発生した際における事態に応じた臨機の対応に関する事柄でございますので、現時点で具体的な内容を定めることは困難でございますけれども、緊急事態においては、民間航空機、自衛隊機及び米軍機による飛行場の利用ニーズが増大し、錯綜する可能性があることから、その円滑な利用調整を行うために、武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律など、必要な法的枠組みが既に整っておりますので、事態に応じて適切な調整を図ることが可能だと考えておりますが、それがどこに当たるかということについては現時点で決まっているわけではございません

○森ゆうこ君 その条件満たすというところが全然話が進んでいないのに、辺野古の基地だけを進めてどうするんですか。
あらかじめ許可をもらっておかなきゃいけないでしょう。それ、那覇空港じゃないんですか。

○国務大臣(岩屋毅君) これは、先ほども申し上げましたように、事態に応じて調整をして確保をするということになるわけでございますから、どこかに決まっているということではございません。それで特段の問題は生じないというふうに思っております

2019年3月4日 第198回国会 予算委員会 第3号

現在はまだ決まっていない(公表していない)ということでしたが、沖縄県内に約2800メートル級の滑走路がある民間空港は、

  • 那覇空港(滑走路の長さは3000メートル、第二滑走路は2700メートル)
  • 地島空港(滑走路の長さは3000メートル)

の2つしかなく、1998年の米政府監査院(GAO)の報告書で「那覇空港は緊急着陸の候補地として利用可能」と記載されていたこともあり、那覇空港が有力ではないかとされています。

当時の沖縄県知事(翁長雄志)は那覇空港の使用を完全に拒む

その那覇空港について、2017年7月5日の沖縄県議会で当時の翁長沖縄県政は「那覇空港は絶対使用させない」という立場を表明しています。

○渡久地 修
私は平成21年と22年に、この日米共同声明の中で民間空港の使用というのがあったものだから、民間空港である那覇空港、米軍が使用する危険があるよということを2回指摘して質問してきました。アメリカの会計検査院あるいはこの共同発表、そして、統合計画に民間空港の使用というのがある。沖縄本島にある民間空港というのは那覇空港だけだと。この2つ合わせると那覇空港を使うよということを米軍が言っているというふうに読めるわけです。ですから、知事、那覇空港は絶対米軍には使用させないということで知事に明言してもらいたいんですがいかがですか

○知事(翁長雄志)
この定例会の代表質問・一般質問のときにも3名ほどから御質問がありまして、その趣旨の中で、那覇空港は絶対使用させないというような答弁をさせていただいております

2018年7月5日 第3回 沖縄県議会(定例会) 第7号

現沖縄県知事である玉城デニー知事も、翁長元知事と同じく辺野古移設を真っ向から反対しているので、おそらくは同じ考えだと思われます。

岩屋防衛大臣は「特定公共施設利用法」をあげて調整は可能と考えている

しかし、2019年3月4日の国会で岩屋防衛大臣は「武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律」(特定公共施設利用法)をあげて、「事態に応じて適切な調整を図ることが可能と考えている」という答弁をしています。

○国務大臣(岩屋毅君)
今申し上げた普天間飛行場代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善という項目につきましては、実際に緊急事態が発生した際における事態に応じた臨機の対応に関する事柄でございますので、現時点で具体的な内容を定めることは困難でございますけれども、緊急事態においては、民間航空機、自衛隊機及び米軍機による飛行場の利用ニーズが増大し、錯綜する可能性があることから、その円滑な利用調整を行うために、武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律など、必要な法的枠組みが既に整っておりますので、事態に応じて適切な調整を図ることが可能だと考えておりますが、それがどこに当たるかということについては現時点で決まっているわけではございません。

2019年3月4日 第198回国会 予算委員会 第3号

「武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律」は、簡単に言えば「日本が外部から武力攻撃を受ける場合、自衛隊や米軍が優先的に特定公共施設(港湾施設、飛行場施設など)を利用できる法律」です。この法律は「特定公共施設利用法」ともいわれています。

 (目的)
第一条 この法律は、武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関し、指針の策定その他の必要な事項を定めることにより、その総合的な調整を図り、もって対処措置等の的確かつ迅速な実施を図ることを目的とする。

衆議院HP:武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律

港湾施設、飛行場施設の利用の確保については第七条に記載されています。(対策本部長とは首相のこと)

第七条 対策本部長は、特定の港湾施設に関し、対処措置等の的確かつ迅速な実施を図る上で特定の者の優先的な利用を確保することが特に必要であると認めるときは、港湾施設の利用指針に基づき、当該特定の港湾施設の名称、特定の者の優先的な利用を確保する必要がある対処措置等の内容及びその期間その他の具体的な事項を明らかにして、当該特定の港湾施設の港湾管理者に対し、当該特定の港湾施設の全部又は一部を特定の者に優先的に利用させるよう要請することができる。

衆議院HP:武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律

岩屋防衛大臣はこの「特定公共施設利用法」により、「事態に応じて適切な調整を図ることが可能と考えている」という答弁をされたと思われます。

玉城デニー知事の「AbemaPrime」での発言

2019年3月25日に放送されたAbemaTVの番組「AbemaPrime」でウーマンラッシュアワー村本さんと玉城デニー知事の対談の際に、辺野古の滑走路や那覇空港使用についての話が出ていたので書き起こしてみました。

◯玉城デニー知事
さも、もう辺野古に移ったら普天間も還ってきて万々歳みたいな話ですけども、あれ辺野古つくっても飛行機がそもそも着陸できない短い滑走路なので、じゃあ那覇空港を使わせろと言われかねないんですね。普天間を還すためには。那覇空港は滑走路2本もあるんだから1本使わせろと米軍に。そしたら何のために2つ作ったのと。それは沖縄県が発展するため、日本全体が発展するための起爆剤にするためでしょと。これ米軍に使わせませんよと言ったら、じゃあ普天間は還さないとなっちゃうわけです。
つまり普天間を還す条件の8つの中の1つに、この固定翼機が十分使えるような滑走路を他に見つけなさいという約束があるから。だから辺野古をつくっても普天間が還ってくるということにはなってないんですよ。

動画(3:36~)
AbemaTV:卒業対談SP ウーマン村本×玉城デニー「沖縄と日本の未来は?」

玉城デニー知事は「普天間を還す条件の8つの中の1つに、この固定翼機が十分使えるような滑走路を他に見つけなさいという約束があるから」ということは話されていますが、その前の

  • 「辺野古つくっても飛行機がそもそも着陸できない短い滑走路」
  • 「那覇空港は滑走路2本もあるんだから1本使わせろと米軍に」

という発言は、番組を見た人にとっては誤解を与えかねない言い方だなと思います。

・「辺野古つくっても飛行機がそもそも着陸できない短い滑走路」

正確には「大型の飛行機が着陸できない短い滑走路」で、それ以外の航空機は基本的には着陸できます。玉城デニー知事の言い方だと、航空機が全く着陸できない滑走路と誤解する人が出てきても不思議ではありません。

・「那覇空港は滑走路2本もあるんだから1本使わせろと米軍に」

返還条件には緊急時における」と記載されているのですが、「緊急時」という言葉を使わずに「1本使わせろ」という言い方は、米軍が緊急時でもないときに自由に使っていいような印象を受けかねません。(緊急時がどの程度のものなのかという主張ならまだわかりますが・・・)

番組上、限られた時間の中での発言だったのかもしれませんが、沖縄県を代表する県知事として「辺野古反対」だけではなく、公平公正にもう少し正確な情報を発信してほしかったなと思います
(自ら辺野古反対を公約に掲げて知事になったので、仕方がないのかもしれませんが・・・)

最後に

Twitterを見ていると、辺野古移設反対の理由のひとつとして「辺野古の滑走路は短くて使い物にならない」ということがよくあげられることはあります。

しかし、普天間飛行場に配備されている航空機全てが辺野古に離発着可能ということを認知している人は少ないように思っています。

僕自身、普天間飛行場の移設について知らなかった情報がよく出てくるので、辺野古の問題に興味がある人がいれば、参考にしてもらえたらと思っています。

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