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玉城デニー知事がなぜ那覇軍港の浦添移設に容認しているのか調べてみた

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政治について少し興味を持ち始めた僕ですが、最近はなぜか玉城デニー知事について調べることにハマっています。

そして玉城デニー知事について調べている中でどうしても一番疑問に感じてしまうのは
「普天間→辺野古」の基地移設には反対しているのに「那覇→浦添」の基地移設に容認していることです。

その疑問を自分でも解消するために色々調べてみたので、「那覇→浦添」と「普天間→辺野古」の比較や、玉城デニー知事の主張する移設の違う点などについてまとめてみました。

「普天間→辺野古」と「那覇→浦添」は基本的には似ている

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「那覇→浦添」の移設は「普天間→辺野古」の移設と似ている点があり

・既存の米軍の機能を別の場所に移動
・移動後は現在の基地を返還
・海面の埋め立てをして基地を建設

などがあげられます。

辺野古は正しくは「代替施設」

辺野古の基地に関して「新基地」というワードがよく出てきますが、この言い方には少し語弊があります。

新しく基地の数が増えると思っている人も少なからずいると思うので、一応書いておくと、辺野古にはキャンプ・シュワブという基地が約50年前からあり、その基地を拡張する形で滑走路が建設されます。

※辺野古のキャンプ・シュワブf:id:dai-diary:20181221080104j:plain
沖縄県HP:FAC6009キャンプ・シュワブ

日米両国政府によるSACO最終報告には「代替施設」という文字が記載されてあり、辺野古の基地は「新基地」というよりも「普天間飛行場の代替施設」というのが正しい言い方になると思います。

「新基地」と呼ばれる理由は、「普天間にはない機能を持った施設が新たに設置されるから」(基地機能の強化とは別の話)ということを沖縄県側は主張していて、新しく基地の数が増えるわけではありません。

また、那覇軍港の移設先である浦添には既存の基地はなく、新たに基地を新設することになるので、逆にこちらの方が「新基地」ではないかという意見もよく見ます。

※那覇軍港の移設予定地(浦添)f:id:dai-diary:20190312152757j:plain
浦添市HP:西海岸開発に係る浦添市素案をご紹介します

 

玉城デニーさんは「普天間→辺野古」の移設反対の公約を掲げて当選

2018年9月に行われた沖縄県知事選挙では、玉城デニーさんは翁長元知事の遺志を受け継ぎ、辺野古移設反対を公約に掲げて沖縄知事選で当選しました。

翁長知事の遺志を受け止め、普天間基地の閉鎖・返還を一日も早く実現するよう政府に強く要求し、辺野古に新基地を造らせません。将来世代に負の負担を押し付けないためにも、県が行った埋立承認の「撤回」を支持します。

玉城 デニー 沖縄県 都道府県知事マニフェスト(沖縄県)|マニフェストスイッチプロジェクト

玉城デニーさんは「沖縄にある全ての米軍基地の即時閉鎖、撤去を求めているわけではない」という立場をとっていますが、辺野古の基地建設に関しては認めない姿勢をとっています。

玉城デニー知事は「那覇→浦添」の移設に容認

知事になる前は「賛成も反対もしていない」

沖縄知事選挙の前、2018年9月11日に行われた佐喜真淳さんとの「沖縄県知事選立候補予定候補者討論会」で、那覇軍港を浦添に移設することに関して玉城デニーさんは下記のように発言しています。

◯玉城デニーさん
「私は賛成も反対も今の段階で申し上げることはしておりません。協議をしっかり見つめていこうということですから、その時点においてしっかりと私もその協議に加わった場合には、その判断をしていくということも出てくるかとも思います。」


18:38~ 那覇軍港の討論
21:00~ 上記発言

僕が玉城デニーさんについて調べてみようと思ったのは、この動画の玉城デニーさんの発言がきっかけでした。

公約に掲げるほど辺野古の基地は反対しているのに、なぜ那覇軍港の浦添移設に関しては反対しないのか単純に疑問でした。

知事就任後、沖縄県議会で「基地負担の軽減」「跡地の有効利用」を理由に容認する方向性を示す

玉城デニーさんは知事就任後、2018年10月19日の沖縄県議会で那覇軍港の移設を容認する発言をしています。

◯知事(玉城デニー)
「那覇港湾施設の件ですが、県としましては、那覇港湾施設の返還が実現されれば、基地負担の軽減、跡地の有効利用による発展に寄与すると考えており、これまでの経緯を踏まえ、浦添移設を認めることになると考えております。」

沖縄県HP:平成30年10月19日 第7回 沖縄県議会(定例会)

この時に

・基地負担の軽減
・跡地の有効利用

の2点を理由に「那覇→浦添」の移設に容認する方向性を示しています。

普天間飛行場は「世界で最も危険な基地」とも呼ばれているほどの基地負担

すでにご存じの方が多いとは思いますが、普天間飛行場は宜野湾市の中心に位置し、学校や住宅に囲まれています。

この飛行場から航空機が離発着しているので、普天飛行場は「世界で最も危険な基地」とも呼ばれています。

現に過去には以下のような事故が起きています。

 

基地が辺野古に移設されることで騒音問題も軽減

また、宜野湾市では基地から発生する騒音等の苦情が年々増加していて、ここ数年では毎年約400~600件以上の苦情が寄せられています。

基地から発生する騒音等の苦情の件数
2018年度・・・684件
2017年度・・・458件
2016年度・・・414件
宜野湾市HP:基地被害110番

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宜野湾市HP:「まちのど真ん中にある普天間飛行場」(2019年3月)

普天間飛行場では住宅防音が必要となる地域に1万数千世帯の人が暮らしているのですが、辺野古に基地が移設されれば住宅防音が必要となる世帯はゼロになります。

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防衛省・自衛隊:平成30年版防衛白書 4 沖縄における在日米軍の駐留


また、辺野古の滑走路がV字型に決まったことにより、航空機が離着陸する際には海上ルートを飛行することになるので、安全面・騒音面においてかなりの基地負担が軽減されることになると思います。


また、政府側は「普天間→辺野古」によって滑走路が短縮されることも基地負担の軽減のひとつとしてあげています。

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防衛省・自衛隊:平成30年版防衛白書 4 沖縄における在日米軍の駐留

滑走路が短縮されることで、普天間飛行場に離着陸していた大型の固定翼機(大型の飛行機)は辺野古に離着陸できなくなります。(ただ、現在普天間飛行場に配備されている58機の航空機に大型の固定翼機はなく、航空機はすべて辺野古で運用される予定)

※滑走路の短縮による航空機の運用について詳しく書いた記事はこちら

基地の縮小面積と跡地の有効利用による経済効果は「普天間→辺野古」の方が「那覇→浦添」よりも大きい

2018年10月22日の沖縄県議会で自民党の又吉議員と、知事公室長、企画部長の問答により「普天間→辺野古」と「那覇→浦添」の2つの基地の縮小面積と経済効果の比較がされていたので『駐留軍用地跡地利用に伴う経済波及効果等に関する検討調査』なども参考にまとめてみました。

基地面積

現在の基地面積
普天間:481ヘクタール
那覇:55.9ヘクタール

移設後の基地面積
辺野古:160ヘクタール
浦添:49ヘクタール

基地面積の比較
普天間→辺野古:321ヘクタールの減少
那覇→浦添:6.9ヘクタールの減少

基地返還による経済効果

(消費や投資等の経済取引により、個人・事業者等への支出が発生する効果)

返還前の経済効果
普天間:120億円
那覇:30億

返還後の経済効果
普天間:3866億円
那覇:1076億円

跡地利用に伴う誘発雇用人数

(誘発される生産を行うために必要となる理論上の雇用者数)

返還前
普天間:1074名
那覇:228名

返還後
普天間:3万4093名
那覇:1万687名

これらのことを比較したらわかるように、基地の縮小面積、跡地の有効利用による経済効果はどちらも「普天間→辺野古」の方が大きいです。

知事公室長「基地の返還というのは、数字だけでは決められるものではない」

このことについて、沖縄県議会で知事公室長は下記のように答弁しています。

◯知事公室長(池田竹州)
「基地の返還というのは、先ほど説明した数字、経済効果とか面積だけでは決められるものではないというふうに考えております。」

沖縄県HP:平成30年10月22日 第7回 沖縄県議会(定例会)

もちろん数字だけで判断するのも違う気もしますが「那覇→浦添」の移設を容認できるのであれば、世界一危険も言われている普天間飛行場を移設する「普天間→辺野古」の移設を優先した方が良いのではないかと個人的には考えてしまいます。

海の埋め立て面積は現計画では「浦添」の方が「辺野古」より大きい

浦添に那覇軍港が設置される際の海の埋め立て面積は、現行計画では「辺野古」より大きいですが、浦添市の案が実現すれば「辺野古」より小さい埋め立て面積となります。

埋め立て面積
辺野古:約160ヘクタール
沖縄県HP:普天間飛行場代替施設建設事業(埋立事業)

浦添:187.3ヘクタール(現行計画)
  :115.3ヘクタール(浦添市案)
※軍港だけの埋め立ては49ヘクタールですが、セットとして周辺に建設されるリゾート地なども含めた数字です
浦添市HP:西海岸開発に係る浦添市素案をご紹介します

Twitterを見ると、基地賛成派の人で「浦添では辺野古の倍の300ヘクタールが埋め立てられる」と思っている人もいますが、浦添市は計画の見直しなどを行うことで、埋め立て面積を現計画の187.3ヘクタールまで減少することに成功しています。

軍港の位置などはまだ見直す余地があるとされるため、今後も埋め立て面積は変わる可能性があります。

ちなみに那覇空港に増設される第2滑走路の埋め立て面積は辺野古と同じ

浦添とは話がそれますが、那覇空港に増設されている第2滑走路の埋め立て面積は辺野古の基地の埋め立て面積と同じです。

埋め立て面積
那覇空港の滑走路:約160ヘクタール
沖縄県HP:那覇空港滑走路増設事業

現在の那覇空港は、旅客機の他に自衛隊の戦闘機が発着している軍民共用空港ですが、第2滑走路が増設されることで自衛隊の戦闘機が発着する数が増え、自衛隊の増強につながるといわれています。

浦添の埋め立て区域内にもサンゴは存在し移植も行われる予定

辺野古の海の埋め立ての際に「サンゴ礁やジュゴンに被害が及ぶ」という意見もありますが、浦添(那覇軍港の移設先)や那覇(那覇空港の滑走路増設)の埋め立て区域内にもサンゴは存在していて、移植も行われます

◯辺野古(普天間飛行場の移設先)のサンゴ

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沖縄防衛局:サンゴ類に関する環境保全措置 【サンゴ類の移植・移築計画(案)】

 

◯浦添(那覇軍港の移設先)のサンゴ

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そして辺野古のサンゴ同様に、浦添のサンゴも移植される予定です。

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那覇港管理組合:那覇港(浦添ふ頭地区)港湾整備に伴う海域環境保全マニュアル

 

◯那覇(那覇空港の滑走路増設)のサンゴ

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沖縄総合事務局 開発建設部:海域生物の移植(サンゴ類)について

辺野古のサンゴの移植基準は那覇(那覇空港の滑走路増設)の移植基準より高い

那覇(那覇空港の滑走路増設)のサンゴの移植はすでに行われていますが、辺野古の移植基準はこちらのサンゴの移植基準より高いです

サンゴの移植基準
◯辺野古
被度5%以上で0.2ha以上の規模を持つ長径10cm以上のサンゴ類
②単独であっても長径が1mを超える群体
(③レッドリストに記載されたサンゴ)
沖縄防衛局:サンゴ類に関する環境保全措置 【サンゴ類の移植・移築計画(案)】

◯那覇(那覇空港の滑走路増設)
被度が10%以上のエリアに生息するサンゴ類
②直径が1m以上の大型ハマサンゴ類
沖縄総合事務局 開発建設部:海域生物の移植(サンゴ類)について

◯浦添(那覇軍港の移設先)
未定

※被度とは・・・海底面に占める生きたサンゴの割合
※群体とは・・・数百以上の個体が集まったサンゴの塊のようなもの

比べてみるとわかりますが、小型サンゴ類の移植対象について、辺野古が「被度5%」なのに対し那覇(那覇空港の滑走路増設)の方は「被度10%」となっています。

被度とは、海底面に占める生きたサンゴの割合のことで、那覇の基準では当てはまらなかったサンゴも辺野古では移植対象になっています。

この移植基準については国会でも答弁されていて、那覇(那覇空港の滑走路増設)の方では小型サンゴ約3万7000群体の移植を行ったのですが、辺野古と同じ規準だったとすれば17万群体の移植を行う必要があったようです

○安倍内閣総理大臣
 このうちサンゴ類の移植については、沖縄防衛局において、部外の専門家から成る環境監視等委員会の指導助言を踏まえて保護基準を設定しておりまして、実際設定した基準は、那覇第二滑走路の工事に伴う埋立ての際よりも相当厳しいものであり、この内容は沖縄県にも報告をしていると聞いております。
 具体的には、那覇第二滑走路の工事に伴い、小型サンゴ約三万七千群体の移植を行いましたが、仮にこれに辺野古移設と同じ基準を当てはめれば小型サンゴ類十七万群体を移植する必要があった、つまり、三万七千ではなくて十七万群体を移植しなければならないという、非常に厳しい、那覇第二滑走路と比べて厳しい基準で辺野古のサンゴの移植は行っているということであります。

2019年3月1日 第198回国会 財務金融委員会 第5号


※辺野古のサンゴについて詳しく書いた記事はこちら

那覇空港の滑走路増設には日本自然保護協会からジュゴンに対しての抗議があった

また、那覇空港の滑走路増設に至っては「ジュゴンに影響を与える」との抗議が日本自然保護協会から出ています

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日本自然保護協会:那覇空港滑走路増設事業への埋め立て申請承認に対する抗議声明

ジュゴンは辺野古だけに限らず沖縄周辺の海草を食べている

ちなみにジュゴンに関しては、沖縄周辺の海草をまんべんなく食べていると環境省のHPに調査結果が出ています。

死体等の解剖結果から、ジュゴンの食性について推定した。その結果、沖縄周辺の海草を特段の偏り無く摂餌し、種の選択性は特に認められなかった。

環境省HP:ジュゴンと藻場の広域的調査 平成13〜17年度結果概要について

なので、ジュゴンにとって過大な被害が及ぶわけではありません。

辺野古の埋め立ては「自然を破壊していない」わけではないが、それは浦添(那覇軍港の移設先)も那覇(那覇空港の滑走路増設)も同じ

沖縄防衛局の「サンゴ類に関する環境保全措置 【サンゴ類の移植・移築計画(案)】」を見ると、辺野古の埋め立て区域ではサンゴの移植が行われるなどの対処はされていますが、実際には海を埋め立てることには変わりはないので、基地を建設することは「自然を破壊していない」とは言い切れません

なので、一般市民の人であれば「自然破壊だ!」と抗議をするのはわからなくもないです。

しかし、浦添の埋め立てを容認した玉城デニーさんが辺野古の自然に関して言及するのは矛盾が生じてしまいます

玉城デニー知事が主張する「普天間→辺野古」と「那覇→浦添」の違い

辺野古と浦添の基地の違いについて、2018年9月11日に行われた佐喜真淳さんとの「沖縄県知事選立候補予定候補者討論会」で玉城デニーさんが回答していたので書き起こしてみました。

◯玉城デニーさん
「辺野古の新基地建設については普天間にない弾薬搭載エリアであるとか、強襲揚陸艦が接岸できる護岸であるとか、明らかに機能強化であることは間違いありません。しかも一本の滑走路は二本に増え、オスプレイを将来100機そこに配備するということは元防衛大臣の著書の中でも明らかなんですね。つまり、もう強化されることがはっきりしている普天間の辺野古移設と、移設協議会の枠組みの中でこれから協議が進められていくものとは根本的に基地に対する捉え方が違うということだと思います。」


7:39~ 那覇軍港の討論
8:49~ 上記発言


この発言を要約すると、

辺野古には
・普天間にはない弾薬搭載エリアが新設される
・強襲揚陸艦が接岸できる護岸ができる
・一本の滑走路が二本に増える
・将来オスプレイが100機配備される

これらの点から基地機能は強化され、
「那覇→浦添」と「普天間→辺野古」は根本的に基地に対する捉え方が違う
という解釈のようです。

「辺野古への移設によって基地が機能強化される」というのは少し疑問

しかし、玉城デニー知事の挙げた上記の基地機能については、様々な理由や経緯によって設置されるもので、「移設によって基地機能が強化されるから反対」という主張には少し疑問を感じます

この基地機能については別の記事でも掘り下げて書いてみたのですが、今回それぞれの基地機能の設置される理由や経緯などをまとめてみました。

普天間にはない弾薬搭載エリアが新設される
→現在、普天間飛行場に弾薬搭載エリアはたしかにないが、弾薬搭載作業の際には嘉手納町にある「嘉手納飛行場」を利用している。なので、辺野古に移設されれば、弾薬搭載作業を行う際に辺野古から嘉手納飛行場まで航空機の遠距離移動が必要になってしまい、弾薬搭載作業の際に運用上支障をきたすので、辺野古には弾薬搭載エリアが設置される予定である。また、その場合、運用上以外にも住民に対して騒音の抑制、安全面に対してメリットがある。

強襲揚陸艦が接岸できる護岸ができる
→護岸が整備される理由は、滑走路の短縮(普天間2800m→辺野古1800m)によって故障した航空機を搬出する輸送機が着陸できなくなるため、かわりに運搬船が接岸できるようにしたからである。また、政府側は国会で「強襲揚陸艦が接岸するためには長さは不十分」と答弁していて、「強襲揚陸艦の運用を前提としていないこと」は米軍との共通の認識であることも国会で答弁している。ちなみに、那覇軍港は浦添に移設されることで(現行計画では)水深が15~20mとなり、現在の那覇軍港では困難とされていた強襲揚陸艦の接岸が可能になる。

一本の滑走路が二本に増える

→辺野古の滑走路が一本から二本のV字型になった理由は、「飛行経路を住宅地の上空から避けるため」というむしろ基地負担軽減に当たるものである。滑走路については地元住民によって何度も合議され、二本の滑走路は当時の名護市長、名護市長に隣接する当時の宜野湾村長、東村長、恩納村長、金武町長が合意した経緯がある。

将来オスプレイが100機配備される
→玉城デニー知事は辺野古にオスプレイが100機配備されることを「元防衛大臣の著書に記載されている」ということを根拠にしているが、元防衛大臣の著書では、正しくは「普天間基地の代替施設には、有事の事態を想定すれば100機程度のオスプレイを収容できる面積がなければならず」と記載されてあり、辺野古にオスプレイが100機が配備されることは決まっていない。また、2018年10月のファクトチェック・イニシアティブの記事では元防衛大臣の著者自身が「現時点で、普天間以外から辺野古施設に新たな展開が予定されているオスプレイはない」と回答している。

※基地機能について資料付きでそれぞれ詳しく書いた記事はこちら


これらのことから玉城デニー知事の主張する「明らかに機能強化であることは間違いない」というのは少し語弊があるのではないかと思います。

これらの基地機能の経緯などを、玉城デニー知事がどう認知しているのか気になります。

知事公室長「辺野古には普天間飛行場とは異なる機能が加わるから反対」

2019年2月25日の沖縄県議会で又吉議員(自民党)から辺野古移設による基地強化についての質疑が行われたので、知事公室長の答弁も含めて記載しておきます。

◯又吉 清義
「辺野古に移すことにより普天間はかなりの機能低下につながるが、県が発表している機能強化とは具体的に何に基づいているのか、具体的にご説明お願いします」

◯知事公室長(池田竹州)
「防衛省は普天間飛行場代替施設は基本的には普天間飛行場の機能を維持するために整備するものである、と説明しております。しかし、政府が推薦する辺野古移設計画においては、弾薬搭載エリア、係船機能付き護岸、二本の滑走路の新設など、現在の普天間飛行場とは異なる機能などを備えることとされており、単純な代替施設ではないと認識しております。」

引用:平成31年2月25日 第2回 沖縄県議会(定例会)

知事側は、辺野古移設による基地の機能強化について問われると、「普天間飛行場とは異なる機能が加わるから」という答弁の仕方をしています。

またその後も下記のような答弁がされています。

◯又吉 清義
「(普天間は)ナイキ(ミサイル)が配備されていたナイキ基地でもある。(普天間は)外来機も飛ぶことができる。(普天間は)滑走路も長い。普天間基地と辺野古基地はどっちが機能が上なんですか?
※滑走路の短縮により辺野古には大型の固定翼機(飛行機)の着陸ができなくなる(現在、普天間飛行場に配備されている航空機は全て着陸可能)

◯知事公室長(池田竹州)
「先程来、現在の普天間飛行場とは異なる機能が備えることとされており、単純な代替施設じゃないと認識しております。という風にお答えさせていただいております。以上でございます。」

◯又吉 清義
「だから単純ではないということを前に付け加えなければダメですよ。機能が低下した民間上空を飛ばない単純な基地だと言えば誰でも理解できると思いますよ。あなたの言う単純とはどういう意味を含めているのですか。機能が強化するのか、より普天間よりも条件が悪くなるのかどちらなんですか。」

◯知事公室長(池田竹州)
「繰り返しになりますが、普天間飛行場にはない係船機能付き護岸、弾薬搭載エリアなど単純な代替施設ではないという風に認識しております。以上でございます。」

引用:平成31年2月25日 第2回 沖縄県議会(定例会)

又吉議員は「基地機能が強化するのか?」という質問をしているのに、知事側は「普天間飛行場とは異なる機能が加わるから」と、機能強化については触れずに答弁しています

このことから、知事側の主張は「基地機能が強化するから反対というより、(基地強化ではなくても)普天間にはない機能が加わるから反対している」ということになると思います。

実際には基地負担軽減につながる要素もあるのに、この主張には疑問を感じざるを得ないです。

玉城デニー知事は辺野古と浦添の違いに対し、「基地機能が強化するから辺野古に反対」ということを県知事選の候補者討論会ではっきりと発言していたので、基地関連に関しての質問は、この県議会にも同席していた玉城デニー知事に全部答えてほしかったなと思います。

2本の滑走路の経緯を認識しているのに反対

また、「2本の滑走路」について同じく又吉議員から質問が行われていましたが、「2本の滑走路」が基地強化となりうる要因の答弁はされませんでした。

◯又吉 清義
「公室長、二本の滑走路ができることはそんなに異常なんですか? その意味はご存知ないですか?」

◯知事公室長(池田竹州)
「当初L事案というのが提案されてましたが、その後名護市の方から滑走路延長線上に民間住宅が位置するなど、住民生活の影響から民間上空の飛行ルートを(すい?(聞き取れず))見解が示されたところ、最終的に民間地区上空の飛行ルートを回避される形でV字型に修正されたもの、という風に理解しております。」


◯又吉 清義
「公室長、これは悪いことなんですか?良いことなんですか?」

◯知事公室長(池田竹州)
「私どもは辺野古に代替施設を作るということに反対であり、県外、国外の移設を求めてる立場でございます。以上でございます。」

◯又吉 清義
「いやそれ聞いてるんじゃないよ今。二本の滑走路は良いことなんですか?悪いことなんですか?と聞いてるんですよ。はぐらかしたらダメですよ。」

◯知事公室長(池田竹州)
「繰り返しになりますが、私どもは普天間飛行場の代替施設としての辺野古埋め立てそのものを反対する立場でございます。従いまして、その反対するものについての滑走路の使用のものについての良い悪いというものについての答えは差し控えたいと思います。」

引用:平成31年2月25日 第2回 沖縄県議会(定例会)

このように、知事側は「2本の滑走路」のできた経緯が「飛行経路を住宅地の上空から避けるため」と認識しているのですが、「辺野古の埋め立てに反対する立場」という主張で滑走路についての議論は行わずに、辺野古移設反対の要因の一つとしてあげています

2本の滑走路については「反対する理由もないのに反対している」というかなりの疑問を感じる主張になると思います。

那覇軍港は浦添に移設されることで、困難だった強襲揚陸艦の接岸が可能になる

辺野古移設に反対する理由の基地強化の一つとして、上記に「強襲揚陸艦が接岸できる護岸ができる」というのがありましたが、玉城デニー知事が移設を容認している那覇軍港は、浦添に移設されることで、これまでは困難だった強襲揚陸艦の接岸が可能になります

2019年2月26日の沖縄県議会で島袋大議員(自民党)が追及していたのですが、2017年8月29日に行われた「那覇港管理組合議会 第3回定例会」の議事録で、渡久地修議員(日本共産党)と田原武文氏(那覇港組合元参事官)との質疑応答でその旨の内容が記載されていました。

重要な会話の部分を赤枠で囲って赤線を引いています。

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那覇港管理組合議会:【■29.8.29第3回定例会(第1号)】会議録

また、日本共産党も「しんぶん赤旗」でこのことについて触れていました。

 那覇軍港は、岸壁が真っすぐで水面も狭く、水深も九・七メートル。強襲揚陸艦や空母といった大型艦船の寄港は困難でした。新軍港は、こうした障害をすべて取り除くもので、強襲揚陸艦などが利用しない保証はありません。

日本共産党「しんぶん赤旗」:“代替”の名で基地強化 空母、強襲揚陸艦も可能に

これらのことを要約すると・・・

・現在の那覇軍港は水深が約9mであり、岸壁が真っすぐで水面も狭く、強襲揚陸艦や空母といった大型艦船の寄港は困難

・浦添にできる現行計画の那覇軍港の水深は15~20mで、ロナルド・レーガン(原子力空母)、ボノム・リシャール(強襲揚陸艦)が接岸できるようになる

原子力潜水艦の入港は法規制によってホワイトビーチのみに限定されているようであり、政府は強襲揚陸艦も運用計画にはないと説明していますが、それは辺野古も同じであり、浦添に移設される那覇軍港に強襲揚陸艦が接岸できることは確かなようです。

玉城デニー知事「那覇軍港の浦添移設は機能の移転」

このことについて、沖縄県議会で島袋大議員(自民党)は「那覇軍港が浦添に移設されることで基地強化になるのではないのか?」と何度も追及をしていました。

それに対して知事側はそれぞれ下記のような答弁でした。

◯玉城デニー知事
機能の移転であると認識しております

◯知事公室長(池田竹州)
「私ども、これまで国から受けてる説明で、強襲揚陸艦を新たな所に接岸させるという説明を受けておりません。」

「那覇港湾施設の浦添への移転につきましては、現在の那覇港湾が持ってる機能の浦添への移転、配置転換という風に考えております。」

◯副知事(謝花喜一郎)
「那覇港湾には復帰前には様々な艦船が接岸していたと思います。時には潜水艦も、原子力潜水艦も接岸されたということで新聞で騒ぎになったということも記憶にございます。(現在の那覇軍港は)強襲揚陸艦も基本的には接岸可能なので、(移設されることで)那覇港湾の機能が強化するということにはならないのだと思います。

「我々は辺野古について反対する理由の一つとして、普天間飛行場にはない弾薬庫機能、それから係船機能付きの接岸機能等があるというようなことでですね、機能強化になると。いわゆる空港にはない機能が新たに設置されるということで反対しているということでございます。先程来答弁してますように、那覇港湾についてはですね、港湾施設の機能を移転ということで理解してるとこでございます。

引用:平成31年2月25日 第2回 沖縄県議会(定例会)

つまり、知事側の見解としては下記のようになります。

・「普天間→辺野古」:新たな機能が設置されるから反対

・「那覇→浦添」:新たな機能は設置されずに移転するだけだから容認

那覇軍港に移設に関しては今のところ新たな施設を設置するわけではないので、知事側の主張はわからなくもないですが、浦添に移設されることで困難だった強襲陸艦の接岸が可能になることは事実ではあります。

これが基地強化になるのか、というのは各々の捉え方によって違ってくると思うので、沖縄県民の方たちがどう解釈していくのかということになると思います。

玉城デニー知事は普天間飛行場を無条件で返還することを求めている

玉城デニー知事は「普天間→辺野古」の移設を反対しているので、「普天間飛行場のことはどう考えているのか」という疑問が出てくると思うのですが、玉城デニー知事は普天間飛行場について「辺野古に基地を作らず無条件で返還」することを求めています。

考えは色々あると思うので、玉城デニーさんの主張することもわからなくはないのですが、沖縄県知事として何を優先にするべきかの判断は大事だと思います。

まとめ

以上「那覇→浦添」と「普天間→辺野古」の比較や、玉城デニー知事の2つの移設の違う点の主張などについてまとめてみました。

辺野古の基地建設はもちろん大事なことなのでメディアが報道するのもわかります。
しかし、那覇軍港の移設の話も沖縄の基地問題の話なので大事な話だとは思うのですが、テレビや新聞ではあまり話題にはなっていません。

玉城デニー知事は39万6632票という沖縄県知事選で過去最高の票数を獲得したわけですが、知事選で投票した人は玉城デニー知事が那覇軍港の浦添移設に容認していることを知っているのでしょうか
(基地だけの理由で玉城デニー知事に投票した人はどれだけいるのかという話にもなってきますが・・・)

もし知っていたら、基地反対の人は玉城デニー知事に抗議してもいいぐらいだとは思うのですが、Twitterなどを見てみると辺野古に比べてほとんど触れられていないような気がします。

今沖縄の基地問題に関心が高まっていると思うので、那覇軍港の浦添移設についても報道してほしいなと思います。